水温設定 2016.10.10
Category: 飼育水槽設備
朝晩、寒くなり頻繁にサーモヒーターが作動する季節となりました。日中でも20℃を下回る日もあります。そこで、先日購入した水槽用サーモヒーターにて水温設定を調整中でございます。海水魚を飼育している方々の中には、多方面の海域から入荷されている魚達や深場に棲む魚を、同じ水槽に入れている方も少なからずいらっしゃる事と存じます。同じ海域や深場に棲む魚を考慮して飼育している方々はそれなりの水温設定をしている事と思いますが、棲んでいた海域や深場が全く異なる場合は水温設定に悩む方々も多い事でしょう。
私の場合は色んな海域に棲んでいた魚達をごちゃ混ぜにしている一人です。それで、時々、考える事があります。熱帯性海水魚の場合は体感に耐えられる(生きて居られる)温度幅に、上限と下限があります。自然界では潮溜まりに残され40℃に耐えられる魚は例外として、上限が35℃。下限が13℃。しかし、この水温は熱帯性海水魚にとっては極限水温で、快適な水温とは言えません。28℃を超えた辺りから酸素不足になり、20℃を下回ると餌を食べなくなる魚も居ます。
海域によっては、年中安定した水温であったり、季節ごとに水温差があったり暖流や寒流が流れ込んだりと、実際は変動しているようです。水深によっても水温は変わります。そんな海域では魚は自由自在に移動できますが、水槽内では水槽という器の中で飼い主が設定した水温で過ごさなければなりません。ですから、頻繁に変動する水温より固定され安定した水温の方が、魚達にも負担が少なります。
死滅回遊魚として知られる、南方から流されて来た熱帯性海水魚は13℃を下回ると絶命してしまいます。近年は佐渡沖で熱帯性海水魚が越冬していると、地元の地方新聞では海水温について取り上げる事があります。そこに記載されているのが冬場の海水温が13℃であること。温帯性と言われている魚は13℃以下でも越冬できるようです。
近年は「死滅回遊魚」とは言わず「季節来遊漁」と言うらしいです。が、なんでも「死滅」という言葉が宜しくないという事だそうですが、「季節来遊」の場合は、冬場も越冬する印象を与えてしまいます。現実としては「死滅」してしまうのです。本来、言葉の響きや聞えが好印象であれば良いという問題でもないと思います。言葉の意味する事が正しくなければ「誤魔化し」ともなりかねないと思います。魚の名前にも差別用語が使われているとかで、改名された魚も多い。
しかし、ここで「熱帯性」と「温帯性」の体感温度差は何℃なのでしょうか。生きて行ける体感水温幅があると言う事は、等しい水温幅を見極めること。
さて、水槽内の水温は何℃が理想かと言う事になりますが、注目したいのは水槽用ヒーターサーモの設定ダイヤルに有る設定温幅。各メーカーでも設定温幅は異なるかもしれませんが、今回、購入した淡水用が、15℃~35℃。淡水・海水使用可が23℃~32℃。淡水専用と海水使用可のサーモでは、海水使用可の方が設定水温幅が狭く設定されています。数値の真ん中を取って設定する場合は、淡水専用の場合は25℃。海水使用可の場合は27℃。迷う場合はこの辺りの水温設定が妥当なのかもしれませんが、拘りのある方々は自論の元に水温を低めに設定している方々も多い事と存じます。
淡水用。
淡水・海水使用可。
ここで問題なのが、冬場でも暖房などの生活環境では水温設定を低くした場合は、室温次第で水温も変動してしまうという事です。特に60センチ以下の水槽の場合は変動し易い水槽です。また、ヒーターの故障や停電などでも、気が付かないでいると魚を失ってしまう事もあり得ます。水槽用ヒーター故障の場合の水温低下はヒーター(サーモ)を複数入れる事で回避できます。一時的、短時間の停電であれば水温を高めにして置くことで、難を逃れる事もありますが、長時間の場合は、毎日、24時間暖房を付けっぱなしにしておく訳にもゆきませんし、滅多に起こる事でもありませんが、雪国の場合は吹雪で停電になる事もございます。ここまでの対策を考える方々も少ないかも知れません。あくまでも、我が家の場合です。
ここからは、実際の水温調整になります。
設置したサーモ付きヒーターですが、これまたダイヤルの設定が商品ごとに、微妙にダイヤル位置の設定位置にズレが生じます。二本ヒーターを入れていると設定位置の調整に少々時間が掛かります。この商品は90センチ水槽の場合、「0.3℃」の変動で作動・停止を繰り返す事が分かりました。60センチ水槽の場合は「0.4℃」の変動で作動・停止でした。
右側に置いているサーモ付きヒーター。
左側に置いているサーモ付きヒーター。




「0.3℃」の変動で通電の作動・停止を繰り返しますので、27℃にする場合は水温計を確認しながら、26.9℃で作動(通電)して27.1℃で通電停止するようにダイヤルを合わせました。60センチ水槽の場合は水量が少ない為か、26.9℃で作動(通電)して、27.2℃で通電停止します。

因みに、作り置き人工海水に入れているヒーター(淡水用)も27℃に設定しております。一応、換水時などに海水の雫や飛び水が掛からないように水槽から離して台の上に乗せております。
27℃を高水温と考えるか、問題ないと思うかは各々の考えが異なるところかと思いますが、私の場合は、一応、飼う海水魚の生息海域の海水温を下調べします。マリンダイビングツアーなどのブログや海域調査をしているHPやブログなども参照しております。実際、魚が棲んでいる海域に行って水温調査する事はできませんので、それらを信用する他無いでしょう。
水温が高め低めで、溶存酸素量に違いが出て来ます。27℃に設定した場合、エアーポンプの空気の吹出量にもよりますし、混泳の数にも違いがでますが、魚を良く観察してみて口の開き具合いや鰓蓋の動き具合いを見極めながら、エアーポンプの吹出量を考慮、エアーポンプの質量設置しなければなりません。
スズキ目であるヤッコやチョウチョウウオの場合は口から鰓までが短く、鰓蓋も大きいのですが。ハコフグの場合は口が小さい事に加えて鰓までが食道のようになっていますので、鰓蓋も小さく口が小さいハコフグ程、酸素不足になりますと口を動かし鰓蓋の動きも早くなります。溶存酸素量が十分となりますと、口も動かさずに鰓の動きもゆっくりとなります。






鰓蓋の小さい魚程、溶存酸素不足には弱いようです。
この冬は、27℃のままで飼育しようか、24℃まで下げようか迷っています。日々、魚を観察しておりますと、摂餌量や活発さなどをみると熱帯性のハコフグの場合は27℃くらいが丁度良いように見受けられます。実質23℃まで下げますと摂餌量は減りますし、20℃では殆ど食べなくなります。
時々耳にする水温は低めの方が長生きするという方々って、長生きとはどのくらいの尺度で言っているのでしょうか?。例えば、初めて海水魚飼育は始めようという方々に、水温は低めの方が長生きしますよって言っても、「???」です。水温が低めの方が本当に長生きするのですか?。言い方を変えると水温を低めに飼育していると、育ちが悪くなる場合もあります。実際問題、比重や水圧、水質も拘るなら自然界の海水とは掛け離れた環境で飼育してる事こそ、水温設定の問題だけではなくなります。
深場に棲む魚は水温を設定できても、水圧はどうなるのでしょう。水温には拘っても水圧は拘らなくても良いのでしょうか。水族館辺りでは深海魚を展示飼育する場合、水圧の問題もでてきますので浅場にも来る深海魚のみの展示をしているのだとか・・・。
結局、魚はある程度、順応力があるから、神経質にならなくても良いのでしょうか。昨年の今頃?から今年の春までは24℃程にして居たと思いましたが。拘らなければ良い事なのかもしれませんが・・・。いつもこの時期になると気になってしまいます。
水槽内繁殖を目指す身としては、年間を通しての水温変化も重要となってくるのです。
さてさて、この冬場は何℃設定にしましょうか?。
私の場合は色んな海域に棲んでいた魚達をごちゃ混ぜにしている一人です。それで、時々、考える事があります。熱帯性海水魚の場合は体感に耐えられる(生きて居られる)温度幅に、上限と下限があります。自然界では潮溜まりに残され40℃に耐えられる魚は例外として、上限が35℃。下限が13℃。しかし、この水温は熱帯性海水魚にとっては極限水温で、快適な水温とは言えません。28℃を超えた辺りから酸素不足になり、20℃を下回ると餌を食べなくなる魚も居ます。
海域によっては、年中安定した水温であったり、季節ごとに水温差があったり暖流や寒流が流れ込んだりと、実際は変動しているようです。水深によっても水温は変わります。そんな海域では魚は自由自在に移動できますが、水槽内では水槽という器の中で飼い主が設定した水温で過ごさなければなりません。ですから、頻繁に変動する水温より固定され安定した水温の方が、魚達にも負担が少なります。
死滅回遊魚として知られる、南方から流されて来た熱帯性海水魚は13℃を下回ると絶命してしまいます。近年は佐渡沖で熱帯性海水魚が越冬していると、地元の地方新聞では海水温について取り上げる事があります。そこに記載されているのが冬場の海水温が13℃であること。温帯性と言われている魚は13℃以下でも越冬できるようです。
近年は「死滅回遊魚」とは言わず「季節来遊漁」と言うらしいです。が、なんでも「死滅」という言葉が宜しくないという事だそうですが、「季節来遊」の場合は、冬場も越冬する印象を与えてしまいます。現実としては「死滅」してしまうのです。本来、言葉の響きや聞えが好印象であれば良いという問題でもないと思います。言葉の意味する事が正しくなければ「誤魔化し」ともなりかねないと思います。魚の名前にも差別用語が使われているとかで、改名された魚も多い。
しかし、ここで「熱帯性」と「温帯性」の体感温度差は何℃なのでしょうか。生きて行ける体感水温幅があると言う事は、等しい水温幅を見極めること。
さて、水槽内の水温は何℃が理想かと言う事になりますが、注目したいのは水槽用ヒーターサーモの設定ダイヤルに有る設定温幅。各メーカーでも設定温幅は異なるかもしれませんが、今回、購入した淡水用が、15℃~35℃。淡水・海水使用可が23℃~32℃。淡水専用と海水使用可のサーモでは、海水使用可の方が設定水温幅が狭く設定されています。数値の真ん中を取って設定する場合は、淡水専用の場合は25℃。海水使用可の場合は27℃。迷う場合はこの辺りの水温設定が妥当なのかもしれませんが、拘りのある方々は自論の元に水温を低めに設定している方々も多い事と存じます。


ここで問題なのが、冬場でも暖房などの生活環境では水温設定を低くした場合は、室温次第で水温も変動してしまうという事です。特に60センチ以下の水槽の場合は変動し易い水槽です。また、ヒーターの故障や停電などでも、気が付かないでいると魚を失ってしまう事もあり得ます。水槽用ヒーター故障の場合の水温低下はヒーター(サーモ)を複数入れる事で回避できます。一時的、短時間の停電であれば水温を高めにして置くことで、難を逃れる事もありますが、長時間の場合は、毎日、24時間暖房を付けっぱなしにしておく訳にもゆきませんし、滅多に起こる事でもありませんが、雪国の場合は吹雪で停電になる事もございます。ここまでの対策を考える方々も少ないかも知れません。あくまでも、我が家の場合です。
ここからは、実際の水温調整になります。
設置したサーモ付きヒーターですが、これまたダイヤルの設定が商品ごとに、微妙にダイヤル位置の設定位置にズレが生じます。二本ヒーターを入れていると設定位置の調整に少々時間が掛かります。この商品は90センチ水槽の場合、「0.3℃」の変動で作動・停止を繰り返す事が分かりました。60センチ水槽の場合は「0.4℃」の変動で作動・停止でした。






「0.3℃」の変動で通電の作動・停止を繰り返しますので、27℃にする場合は水温計を確認しながら、26.9℃で作動(通電)して27.1℃で通電停止するようにダイヤルを合わせました。60センチ水槽の場合は水量が少ない為か、26.9℃で作動(通電)して、27.2℃で通電停止します。

因みに、作り置き人工海水に入れているヒーター(淡水用)も27℃に設定しております。一応、換水時などに海水の雫や飛び水が掛からないように水槽から離して台の上に乗せております。
27℃を高水温と考えるか、問題ないと思うかは各々の考えが異なるところかと思いますが、私の場合は、一応、飼う海水魚の生息海域の海水温を下調べします。マリンダイビングツアーなどのブログや海域調査をしているHPやブログなども参照しております。実際、魚が棲んでいる海域に行って水温調査する事はできませんので、それらを信用する他無いでしょう。
水温が高め低めで、溶存酸素量に違いが出て来ます。27℃に設定した場合、エアーポンプの空気の吹出量にもよりますし、混泳の数にも違いがでますが、魚を良く観察してみて口の開き具合いや鰓蓋の動き具合いを見極めながら、エアーポンプの吹出量を考慮、エアーポンプの質量設置しなければなりません。
スズキ目であるヤッコやチョウチョウウオの場合は口から鰓までが短く、鰓蓋も大きいのですが。ハコフグの場合は口が小さい事に加えて鰓までが食道のようになっていますので、鰓蓋も小さく口が小さいハコフグ程、酸素不足になりますと口を動かし鰓蓋の動きも早くなります。溶存酸素量が十分となりますと、口も動かさずに鰓の動きもゆっくりとなります。






鰓蓋の小さい魚程、溶存酸素不足には弱いようです。
この冬は、27℃のままで飼育しようか、24℃まで下げようか迷っています。日々、魚を観察しておりますと、摂餌量や活発さなどをみると熱帯性のハコフグの場合は27℃くらいが丁度良いように見受けられます。実質23℃まで下げますと摂餌量は減りますし、20℃では殆ど食べなくなります。
時々耳にする水温は低めの方が長生きするという方々って、長生きとはどのくらいの尺度で言っているのでしょうか?。例えば、初めて海水魚飼育は始めようという方々に、水温は低めの方が長生きしますよって言っても、「???」です。水温が低めの方が本当に長生きするのですか?。言い方を変えると水温を低めに飼育していると、育ちが悪くなる場合もあります。実際問題、比重や水圧、水質も拘るなら自然界の海水とは掛け離れた環境で飼育してる事こそ、水温設定の問題だけではなくなります。
深場に棲む魚は水温を設定できても、水圧はどうなるのでしょう。水温には拘っても水圧は拘らなくても良いのでしょうか。水族館辺りでは深海魚を展示飼育する場合、水圧の問題もでてきますので浅場にも来る深海魚のみの展示をしているのだとか・・・。
結局、魚はある程度、順応力があるから、神経質にならなくても良いのでしょうか。昨年の今頃?から今年の春までは24℃程にして居たと思いましたが。拘らなければ良い事なのかもしれませんが・・・。いつもこの時期になると気になってしまいます。
水槽内繁殖を目指す身としては、年間を通しての水温変化も重要となってくるのです。
さてさて、この冬場は何℃設定にしましょうか?。