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ネオベネデニア寄生症 治療編


家庭での治療としては淡水浴がもっとも簡単な治療ですが、治療時の手順としては、30センチ水槽(バケツなどでも良い)に、カルキ抜きした水道水を入れヒーターなどで飼育水と同じ水温にして、pH上昇剤を入れpHを8.3ほどにします。念のためエアレーションもしてください。淡水浴の準備が整いましたら、魚を淡水浴水槽に入れます。pHを8.3に調整するのは、一般に水道水は弱酸性ですので、そこにカルキ抜き剤を入れると更に酸性が強くなる為、弱酸性の水に海水魚を入れますと、pHショックで横倒れして暫くの間、気絶してしまうのを防ぐ為です。
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上の画像は一度目の淡水浴です。一度目の淡水浴はpH調整をしませんでしたので、ご覧の通り横倒れしています。が、暫くすると意識が戻りまた泳ぎだします。


以下の画像は二度目の淡水浴時の画像です。
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淡水浴をすると透明なネオベネデニアがたちまち白濁して体表から離脱します。中にはなかなか体表から離れない個体がいて15分くらいしてようやく全ての固体が体表から離れました。

この時は念の為20分ほど淡水浴をしました。ネオベネデニア寄生症は一度淡水浴をしても本水槽に戻すと再寄生されます。ネオベネデニアについて調べてみますと、数回寄生を繰り返すと魚に抗体ができて寄生されなくなるとの事で、このイナズマヤッコも三回目の淡水浴でようやくネオベネデニアに寄生されなくなりました。しかし、その後、もう一尾イナズマヤッコを入れたところ、そのイナズマヤッコがネオベネデニアに寄生されてしまいました。

淡水浴後はネオベネデニアを水換えポンプなどで吸い出してから、海水魚の購入時の水合わせ要領で本水槽の飼育水を少しずつ入れてやり海水に慣らしてから本水槽に戻します。
 
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魚を飼育水槽に戻した後の淡水浴水槽です。剥がれ落ちた固体を見ると小さい固体や大きい固体と想像していた以上の数には驚かされました。

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大きい固体で4ミリ弱。

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水面に浮いた固体を接写してみました。

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本虫の前方端には魚の体表に寄生吸着する為の2個の吸盤と、後方端には1個の円形の固着盤があり二つの爪が付いています。画像は60ミリマクロレンズで接写しましたが、この解像度では爪の有無は分かりません。

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ベネデニアについて調べてみますと、一般にハダムシと呼ばれている寄生虫はベネデニア属(Benedenia属)、ネオベネデニア属(Neobenedenia属)があり、ベネデニア属(Benedenia属)にはベネデニア・セリオレ(Benedenia seriolae)、ベネデニア・ホシナイ(Benedenia hoshinai)、ネオベネデニア属(Neobenedenia属)にはネオベネデニア・ギレレ(Neobenedenia girellae)、また発音の違い?でネオベネデニア・ギレレが「ネオベネデニア・ジレル」または「ネオベネデニア・ジレレ」と記載されています。

[注] 今回はベネデニアについて調べた上でネオベネデニア・ギレレに酷似していまいしたので、「ネオベネデニア・ギレレ」としましたが、他のベネデニア属のベネデニア・セリオレと見比べてみても固体の成長時の大きさや二つの吸盤の間が少し離れているとか、体系がやや細身だとかの違いくらいは判別できますが、素人目にはハッキリと区別できないほど似ています。水槽に入れて二週間目の淡水浴時の固体の大きさで、ベネデニア・セリオレは14ミリに対して4ミリと小さかったのでネオベネデニア・ギレレとしました。  









 2014_06_29

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箱福

Author:箱福
転職を境に一旦ハコフグ飼育を休止しましたが、ハコフグ飼育の再開を機にブログを始めました。不定期更新ですが、どうぞ宜しくお願い致します。病気を発症させない飼育、薬剤に頼らない飼育を目指し、ハコフグ類の水槽内繁殖の夢みて、奮闘中。Twitterでも更新しておりますのでご覧ください。

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